循環器内科クリニックで行うCPAP治療とは
CPAP(シーパップ)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に広く用いられる医療機器です。
特に当院のような循環器内科クリニックでは、睡眠時無呼吸症候群が心血管疾患に及ぼす影響を重視し、患者様一人ひとりに適したCPAP治療を提供しています。
循環器内科でCPAP治療を行う理由
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、心血管疾患と深い関連があります。
特に以下のようなリスクが知られています。
高血圧
SASがあると、夜間の低酸素状態が交感神経を刺激し、血圧が上昇することがあります。
心不全
SASが未治療の場合、心臓への負担が増加し、心不全を悪化させる可能性があります。
不整脈
睡眠中の低酸素が心拍リズムに影響を及ぼし、心房細動などのリスクが高まることがあります。
冠動脈疾患
慢性的な低酸素状態や炎症が動脈硬化を促進することが報告されています。
大血管疾患
動脈硬化や炎症を主体とする大動脈瘤や大動脈解離、末梢動脈疾患では、SASの合併頻度が高くなるとの報告があります。
糖尿病
SASによる低酸素、交感神経活性や酸化ストレス、全身性の炎症がインスリン抵抗性につながり、糖尿病を引き起こします。
慢性腎不全
SASによる低酸素が腎臓の硬化や繊維化に影響を及ぼし、腎機能障害に関与します。
当院では、これらのリスクを軽減するため、SASの早期診断とCPAP治療を積極的に行っています。
CPAP治療が必要になる症状と適応
主な症状
循環器疾患を抱える患者様において、以下の症状がある場合にはSASが疑われます。
- 睡眠中の大きないびきや呼吸停止(ご家族からの指摘)
 - 朝の頭痛や日中の強い眠気
 - 夜間の頻尿や浅い睡眠感
 - 血圧が下がりにくい、または早朝血圧が高い
 - 既往歴に心不全、不整脈、高血圧がある
 
CPAPの適応
- 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)で中等度以上のSASと診断された場合
 - 循環器疾患を合併している場合には、軽度でも治療を考慮することがあります
 
当院でのCPAP治療の特徴
徹底したスクリーニング検査
当院では、問診に加え、睡眠ポリグラフ検査を用いて正確な診断を行います。
簡易検査でスクリーニングを行い、必要に応じて精密検査を提案しています。
当院では、精密検査も自宅で実施しているため、入院での検査に比べて費用が安く、忙しい方でも日程の相談をしていただけます。
患者様に合った治療の提案
CPAP装置の選定や設定は、患者様の生活スタイルや状態に応じて調整します。
装置の使用感や不安があれば、専門スタッフがサポートします。
また、CPAP適応のない軽症~中等症の方にも検査結果に応じた治療方法(生活習慣の是正や睡眠中の体位指導、口腔内装置作製など)を提案しています。
循環器疾患との統合治療
高血圧や糖尿病、心不全のコントロールと並行してSAS治療を行うことで、全身の健康状態を改善することを目指します。
CPAP治療のメリットと注意点
メリット
- 心血管疾患、動脈硬化性疾患、慢性腎臓病などのリスク軽減
 - 睡眠の質の向上による日中の集中力アップ
 - 夜間の低酸素状態を防ぎ、心臓への負担を軽減
 
注意点
- 装置の使用に慣れるまで時間がかかることがありますが、当院では定期的なフォローアップで使用状況をサポートします。
 - 継続的な治療が必要です。途中でやめると効果が薄れるため、専門医との連携が重要です。
 
気になる症状がありましたらご相談ください
循環器内科でのCPAP治療は、睡眠時無呼吸症候群による症状改善だけでなく、心血管疾患の予防・管理にも大きな役割を果たします。
特に高血圧や心不全、不整脈を抱える方にとって、CPAP治療は全身の健康を守る重要な治療法です。
当院では、患者様一人ひとりに寄り添った診断と治療を行っています。
気になる症状がある方やご家族に不安な症状が見られた場合は、ぜひ一度ご相談ください。




 
	
