勃起障害/勃起不全(ED)とは、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発することとされています。
具体的には、勃起が弱いだけでなく、勃起に時間がかかったり、性行為中に途中で萎えてしまうことも含まれます。
日本での患者数は約1,000万人以上いると推計されており、特に高齢になるほど増加し60歳以上では2人に1人がEDともいわれています。
EDは、血管や神経の障害による病気が原因となって勃起できなくなる器質性ED、自慰行為における勃起は可能であってもパートナーとの性行為がうまくいかなかったり、極度の緊張により勃起できなくなるような心因性ED、その2つの特徴を合わせ持つ混合性EDの3種類に分けられます。
どのタイプのEDに対しても最初の治療として用いられるのは内服によるED治療薬であり、一定の効果があることが知られています。
EDの症状でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。患者さんお一人おひとりの健康状態を評価して、ライフスタイルに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。
ED治療薬について
ED治療薬は、3種類あります。また、それぞれの後発医薬品(ジェネリック医薬品)も取り扱っております。治療効果には個人差がありますので、ご自身に合ったお薬をご相談いただけます。
当院ではお薬を1錠から処方しておりますので、お気軽にご相談ください。
バイアグラ®(後発医薬品 シルデナフィル)
バイアグラは世界初のED治療薬であり、日本では1999年より承認、発売され、世界中でその有効性、安全性が立証されてきた歴史のある治療薬です。
あらゆる薬の中でも高い知名度を誇る治療薬ですが、副作用が多く食事の影響を受けやすい、薬の効いてる時間が短いなどの欠点もあります。
それにおいてもバイアグラの人気は根強く、多くの方がバイアグラによる治療に満足されています。
当院では50mgのみ取り扱っており、シルデナフィルにおいても同様です。
レビトラ®(生産終了)(後発医薬品 バルデナフィル)
レビトラはバイアグラの登場に続き2004年に日本で承認、発売されましたが、2021年発売元より生産終了となりました。
現在は代替薬として後発医薬品であるバルデナフィルが推奨されています。
ED治療薬の中でも即効性の高さが特徴的で、約30分程度で効果が現れ始めます。
食事の影響を受けにくいとされていますが、空腹時に服用するか、食後に服用する場合には脂肪分の多い食事は避けてください。
当院では20mgのみ取り扱っております。
シアリス®(後発医薬品 タダラフィル)
シアリスは2007年に日本で承認、発売となった最も新しいED治療薬で、2013年に世界シェア40%超を記録しています。
シアリスの特徴は36時間という長い効果持続時間であり、金曜の夜に服用すれば日曜の朝まで効果が持続するため、海外ではウイークエンド・ピルと呼ばれています。
また、従来のバイアグラやレビトラと比較して副作用が少なく、食事の影響を受けません。このような内服のしやすさから、欧州や南米ではシアリスが最も使用されています。
当院では20mgのみ取り扱っており、タダラフィルにおいても同様です。
ED治療薬内服における注意点
ED治療薬の主な副作用として、顔のほてり、目の充血、頭痛、動悸、鼻づまりなどがありますが、いずれも一過性で軽度とされています。
しかし、飲酒との併用で血圧低下の報告がありますので、過度の飲酒の際に内服することは避けてください。
また、下記の医薬品の内服を行っている方は、ED治療薬と併せて内服することはできませんので、ご希望に添えず申し訳ありませんが、処方を控えさせていただきます。
- 硝酸剤(飲み薬、舌下錠、貼付剤、スプレー): ニトログリセリン(ニトロペン® など)、ニコランジル(シグマート®)、硝酸イソソルビド(アイトロール®、ニトロール®、フランドルテープ®、ミオコールスプレー® など)、亜硝酸アミル など
- sGC刺激剤: リオシグアト(アデムパス®)
- 抗不整脈薬: アミオダロン塩酸塩(アンカロン®)など
バルデナフィルは上記に加えて、抗HIV薬(レイアタッツ®、レクシヴァ®、プリジスタ®、カレトラ®、プレジコビックス®、ゲンボイヤ®、シムツーザ®)、抗真菌薬(イトリゾール®など)、新型コロナ治療薬(ゾコーバ®、パキロビッド®)を内服中の方には処方できません。
受診のながれ
- 1.電話連絡もしくはWebによる診察予約
当院では、時間帯予約を導入しております。電話連絡もしくはスマートフォンなどでご自身のご希望の時間帯で予約を取得ください。 - 2.受付
初診でご来院の際は、お薬手帳を必ずお持ちください。 - 3.問診表の記入
過去にかかった病気、現在治療中の病気、服用しているお薬などの情報を記入していただきます。ご不明な点がありましたら、お気軽にスタッフにお尋ねください。 - 4.検査(初診の方のみ)
初診の方には心電図検査を実施し、自覚症状のない心疾患の有無を循環器内科専門医が確認し(診察はありません)、安全にED治療薬を内服できるか評価します。 - 5.診察
プライバシーに配慮し、原則として受付番号で診察室へお呼び入れします。順番になりましたらお呼びしますので、診察室にお入りください。泌尿器科専門医である男性医師による診察を行い、検査結果をふまえ、ライフスタイルに合わせた最適な治療プランをご提案いたします。なお、女性スタッフは原則として診察室には入りません。 - 6.お会計
ED治療に関わるお薬は院内でお渡ししております。お薬を受け取っていただいた後、自動精算機でお支払いを完了ください。なお、お支払いは現金(新硬貨、新紙幣対応)の他に、各種クレジットカード、電子マネー、交通系電子マネー、QR決済と幅広くご利用頂けます。
かかる費用
EDにかかる費用は医療保険が効かないので、全て自費となります(いずれも税込み価格です)。
- 初診のかた(心電図検査込み) 5,000円 + お薬代
- 再診のかた 1,000円 + お薬代
ED治療薬の価格(1錠あたり/税込み) | |
---|---|
バイアグラ®錠 50㎎ | 1,500 円 |
後発医薬品 シルデナフィル錠 50mg | 1,000 円 |
レビトラ®錠 20mg | (生産終了) |
後発医薬品 バルデナフィル錠 20mg | 1,600 円 |
シアリス®錠 20mg | 2,000 円 |
後発医薬品 タダラフィル錠 20mg | 1,400 円 |
ED治療薬早見表
拡大してご覧になりたい方はこちらをご覧ください(ED治療薬早見表PDF)
ED治療薬は必ずクリニックで処方を受けましょう
ED治療薬は、患者さんの「受診が恥ずかしい」、「安く手に入れたい」などの理由につけこみ、またインターネットで海外からの個人輸入が手軽に行えるようになっていることを背景に、偽造医薬品の大きなターゲットとなっています。
海外から安価で医薬品を手に入れることができるようになった一方で、医師処方以外のインターネットサイトから入手したED治療薬の薬剤の成分分析に関する研究では、24~77%が偽造薬であったことが判明しています。
偽造薬は世界中で製造されており、日本を含む世界60ヵ国以上で発見されていますが、表示通りの薬効成分が含まれないもの、汚染物質や不純物、さらには健康被害をもたらす薬物を含有するものさえも見つかっています。
実際、偽造薬の内服により生命に関わる重篤な健康被害が発生する事例も報告されており、日本では偽造薬に含有されていた血糖降下薬のために重篤な低血糖発作をきたした例が報告されています。
国内でED治療薬として承認されているのは、バイアグラ、レビトラ、シアリスとその各後発医薬品のみであり、それ以外の薬(ステンドラ、ザイデナ)は国内で未承認の薬となります。
また、ED治療薬は一般の薬局やドラッグストアで市販されていません。個人輸入はもちろん、国内においても医師の処方によるもの以外は購入しないようにしましょう。