健康診断で「要再検査」「要精密検査」「要治療」などの結果が出たものの、そのままになっていませんか?
- 「症状がないから大丈夫」
- 「どの診療科に行けばいいかわからない」
- 「忙しくて後回しにしている」
という方は少なくありません。
しかし、健診で見つかる異常の多くは、まだ自覚症状が出る前の“体からのサイン”です。
症状がないからと放置してしまうと、将来的に心筋梗塞や脳卒中、腎不全といった重篤な疾患につながるリスクがあります。
健診の本当の目的は、病気の早期発見と予防です。異常が見つかった「今」適切な対応をすることが、将来の健康を大きく左右します。
健康診断で「異常」と指摘されると、多くの方が不安を感じると思います。健康診断の結果をお持ちいただければ、循環器内科・総合内科の専門医である女性院長が、結果を正確に解釈し、丁寧に整理してご説明いたします。
不安を抱えたままにせず、どうぞ安心してお持ちよりください。当院では、当日の検査からその結果のご説明、今後の方針のご提案まで、本当に必要な検査や治療のみを提案いたします。
「受診した方がいいのかな?」と迷ったら、まずは一度当院へお気軽にご相談ください。
健診結果の判定の見方 ~「要再検査」と「要精密検査」はどう違う?~
健康診断の結果に「再検査」や「精密検査」という言葉が書いてあると、どんな人でも不安な気持ちになります。
しかし実際、健康診断で「再検査」や「精密検査」が必要と記載されることは、決して珍しいことではありません。
厚生労働省の定期健康診断結果報告によれば、定期健康診断で何らかの異常の所見があった人の割合は59.4%(2024年)とされています。
つまり、2人に1人以上の確率で、何かしらの“体からのサイン”を指摘されるものなのです。
過度に恐れる必要はありませんが、「体からのちょっとしたサイン」として正しく向き合うことが大切です。
健診結果の判定区分と向き合い方
健康診断結果の判定区分は、アルファベットや数字で記載されていることが一般的です。
公益社団法人日本人間ドック学会が公表している判定区分は、A~Eの5段階になります。
医療機関ごとに独自の区分を設けていることもあるため、ご自身が受診された医療機関の判定区分と内容を必ずご確認ください。
| 判定区分 | 内容 | 向き合い方 |
|---|---|---|
| A | 異常なし |
基準値内です。健康状態に問題はありません。 引き続き、健康的な生活習慣を維持しながら、年1回の定期受診を続けましょう。 |
| B | 軽度異常 |
日常生活に支障はなく、治療も不要な段階です。ただし、日常生活でのちょっとした注意は必要です。 バランスの良い食事や適度な運動を心がけ、体調の変化に敏感になりましょう。次回の健診で再確認してください。 |
| C |
要再検査 生活改善 |
数値の経過を追う必要があります。 健康診断の指導に基づき、食生活や運動習慣などの生活習慣を見直しながら、3〜6か月以内を目安に受診・定期的な検査を行いましょう。 |
| D |
要精密検査 要治療 |
原因を詳しく調べる必要があります。重大な疾患が隠れている可能性もあるため、早期の対応が求められます。 速やかに専門医による精密検査を受け、必要に応じて治療を開始してください。 |
| E | 治療中 |
すでに医療機関での治療が必要な状態、あるいは病気が進行している可能性があります。 放置せず、早めに適切な診断と治療を受けましょう。 |
「再検査」は、健康診断の時だけたまたま異常値が出ただけなのか、本当に病気があって異常値が出たのかを確認するために、時間を置いてもう一度健康診断で行った検査と同じ検査で結果を確認します。
一方、「精密検査」は異常を指摘された部分に、治療が必要な病気が隠れていないかをさらに踏み込んで詳しく調べる検査です。
「C判定(要再検査)」や「D判定(要精密検査)」の結果でも、必ずしも「大きな病気にかかっている」というわけではありません。
大切なのは、判定をそのまま放置せず、「何もなければ安心、もし何かあっても早期発見・早期治療ができるチャンス」と捉えて、受診期限の目安を参考に早めに医療機関を受診することです。
健康診断でよくある項目の異常 ~こんな指摘を受けていませんか?~
健康診断で異常を指摘された人が最も多い項目は「血中脂質」で、定期健康診断を受けた人のうちおよそ3人に1人(31.2%)が異常ありと指摘されています。
次いで、「血圧」(18.4%)、「肝機能検査」(16.2%)となっており、生活習慣病に関連する項目が多いことがわかります。
これらの健診で指摘される異常には、
- 「初期段階では症状がほとんどない」
- 「症状がなくても、背景に生活習慣病、不整脈、心臓弁膜症などが隠れている」
- 「軽度の数値異常であっても、長期間続くことで重大な病気を引き起こすリスクが高まる」
といった特徴があります。
「様子見でいいのか」「すぐ受診すべきか」「薬が始まるのか」といった不安や迷いがある段階だからこそ、一度専門医のもとで現状をきちんと整理することが大切です。
BMI高値
BMI 27以上(体重kg ÷ 身長m ÷ 身長m)は、血圧・血糖・脂質に影響し、将来の生活習慣病や心臓・血管リスクにつながります。
血圧が高い
高血圧を放置すると、自覚症状がないまま動脈硬化が進行し、心臓・血管・腎臓・脳にダメージを与え続け、心筋梗塞、脳卒中、腎不全など、重大な疾患の原因となります。
これらの疾患は生命に関わるリスクが高いため、早めの対応が必要です。
繰り返し高値を指摘された場合は、症状がなくても受診をおすすめします。
血糖値・HbA1cが高い
糖代謝異常を放置すると、糖尿病へ進行する可能性が高まります。
糖尿病が進行すれば、腎機能が低下し、人工透析が必要になる(腎不全)、視力の低下や失明のおそれ(網膜症)、手足のしびれや感覚異常が生じ、重度の場合は痛みを伴う(神経障害)ことがあります。
また、糖尿病は動脈硬化の進行を早め、脳梗塞や心筋梗塞などの重大疾患を合併するリスクとなります。
糖代謝異常は自覚症状がないことが多いため、早期発見と適切な対応が重要です。
早期介入により進行を大きく抑制できますので、生活習慣改善でよいか、薬物治療が必要かを適切に判断します。
コレステロール・中性脂肪が高い
脂質異常症は自覚症状がないまま動脈硬化を進行させ、心筋梗塞・脳卒中のリスクを高めます。
LDL-コレステロールは「悪玉」と呼ばれ、高値が続くと血管壁にプラークが蓄積します。
脂質異常症を放置すると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳梗塞など、生命に関わる疾患のリスクが高まります。
特に脂質異常症は自覚症状がないことが多いため、健康診断で指摘された際は見逃さず、早期に対応することが大切です。
生活習慣改善でよいか、薬物治療が必要かを適切に判断します。
肝機能(AST・ALT・γ-GTP)の異常
肝機能異常は肥満・糖尿病・飲酒習慣との関連が強く、最も多い原因は脂肪肝です。
放っておくと肝硬変・肝臓がんに進行するリスクがあります
腎機能(クレアチニン・eGFR)の異常
60 mL/分/1.73㎡未満が3か月以上続く場合、慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
CKDは心血管疾患の独立したリスク因子でもあります。
腎機能の低下を放置すると、むくみや倦怠感などの影響が生じることがあります。
また高血圧やそれに伴う心血管疾患のリスク増加もあり、重症化すると腎不全に至り、透析治療が必要になることもあります。
血液(貧血・白血球・血小板)の異常
健診で最も多く指摘される血液異常は貧血です。
日本人女性の約10〜20%が鉄欠乏性貧血を有するとされています。
貧血は、血液中の酸素運搬能力が低下し、疲労感や息切れ、頭痛やめまい、集中力の低下、のような症状を引き起こします。
重度の場合、心臓への負担が増大し、最悪の場合は心不全に至ることもあります。
特に男性・閉経後女性の貧血は精密検査が必要です。
尿検査(尿蛋白・尿潜血)の異常
尿蛋白陽性は腎臓のろ過機能低下のサインで、糖尿病性腎症・高血圧性腎硬化症・慢性腎炎が主な原因です。
尿潜血陽性は泌尿器科的疾患(腎結石・膀胱炎・膀胱がんなど)や腎炎を示す可能性があります。
心電図の異常
心電図異常は心臓病の早期兆候であることがあります。
経過観察可能な心電図異常もありますが、中には心筋梗塞や心不全などの重篤な疾患を引き起こす可能性がある心電図異常もあります。
心雑音の異常
心雑音自体は必ずしも重大な病気を示すわけではありませんが、心雑音の背景には、弁膜症や血流異常が隠れていることがあり、原因によっては早期治療が必要な場合もあります。
PSAの値が高い
PSA検査は前立腺がんを発見するきっかけとなる検査です。
前立腺がんは早期に発見することができれば、高い生存率が見込めます。
このほかにも、便潜血陽性など健康診断の結果を正確に解釈のうえ、近隣の医療機関と連携し必要な診療や治療につなげるサポートを行っています。
健診は「受けた後」が一番重要です
健康診断は「受けた後」の行動こそが最も重要です。
「病気が見つかるのが怖い」「忙しくて時間がない」など、ついつい後回しにしてしまうお気持ちもよくわかります。
しかし、健康診断の結果は、将来の病気を防ぐための“早めのサイン”です。
受けて終わりにするのではなく、「生活習慣を少し変えてみる」、「再検査を受けてみる」、その踏み出す小さな「一歩」が、あなたと大切なご家族の笑顔に繋がります。
「受けっぱなし」にせず、あなたのこれからの健康を、私たちと一緒に考えていきましょう。





