睡眠時無呼吸症候群の検査の流れと費用について
睡眠時無呼吸症候群では、睡眠1時間あたりに無呼吸や低呼吸が何回あるか(AHI；Apnea-Hypopnea Index)を確認することで、重症度を評価します。
| AHI(回/h) | 重症度 |
|---|---|
| 5 未満 | 正常 |
| 5～15 | 軽症 |
| 15～30 | 中等症 |
| 30以上 | 重症 |
検査には簡易検査と精密検査があり、それぞれの違いは下記の表の通りです。
当院では外来での精密検査を行っており、都合に合わせて日程を相談いただけます。
まず、簡易検査で評価を行い、必要であれば精密検査を実施します。検査結果から治療の必要性や口腔内装置作成、CPAP使用などの相談を行います。
| 簡易検査 | 精密検査 | |
| 実施場所 | 自宅 | 自宅 |
| 装着方法 | 自分で装着 | 検査技師訪問による装着 |
| 検査の違い | いずれの検査でも睡眠中の酸素濃度変化やAHI、いびきの評価が可能です。精密検査では脳波測定なども行うため、より詳しい睡眠のステージ評価や正確なAHI測定が可能となります。 | |
| 費用(3割負担) | 約3000円 | 約12000円 |
| CPAP療法適応基準 | AHI 40回/h以上 | AHI 20回/h以上 |
自覚症状がなくても、睡眠中の酸素不足がもたらす全身への影響は様々です。
睡眠時無呼吸症候群がある方は、高血圧や糖尿病、心血管疾患、脳血管疾患のリスクが2～4倍に増加するといわれており、家族からいびきや寝ている間に息が止まっているといわれたことがある方、早朝に血圧が高い方は、一度ご相談ください。
CPAP療法と費用について
CPAP(continuous positive airway pressure；持続陽圧呼吸)療法は、舌根沈下などで起こる睡眠時無呼吸症候群に対する治療の中で、最も効果的な治療法です。
このため、検査により治療適応となる方には、CPAP療法を第一にお勧めしています。
CPAP療法では、圧力を加えた空気を送り込むことで気道の確保ができるため、酸素低下による体のストレスがなくなります。
このため、睡眠の質が改善し、睡眠時無呼吸症候群によって引き起こされる様々な疾患予防につながります。
機器使用にかかる医療費は月々約5000円(3割負担)程度です。
なお、睡眠時無呼吸症候群の原因が肥満による場合には、CPAP療法は根本的な治療ではありませんので、並行して減量にも取り組む必要があります。
